特別対談第二弾 谷山知宏(花組芝居)×山岸門人

SN3A0035「赤とうがらし帝国」大阪公演直前企画!
今回ついに四度目の鹿殺し出演となる色黒のガゼルこと、花組芝居の谷山知宏さん。
そして劇団鹿殺しのMr.色白、板橋区のオシャレ横わけ山岸門人。
実は同い年である彼らの関係性を暴こうと
実は年下オレノグラフィティがグイッと踏み込んだインタビューをしてきました!

オレノグラフィティ(以下、オ):お互い今年28歳となるわけなんですけれども。初めてあったのは「百千万 2008改訂版」よね?初対面のお互いの印象ってどんな感じでした?
谷山知宏(以下、谷):私はあのとき稽古に遅れて参加したからね。初めて会ったときに門人はもういい役をもらってたよね。
山岸門人(以下、門):そうそうそう。谷やんはチョイチョイ来てた感じだよね稽古に。
谷:だから門人は最初、私のことを「なんなんだこいつ?」ぐらいの勢いで思ってたと思う。
門:「なんなんだ?」って言うか・・・「なにもんだ?」って。(笑)やっぱ谷やんのこの感じは、強烈じゃないっすか。谷やんみたいな人あんま見ないよなかなか。
谷:いや門人もなかなかおらんよね?
オ:まあお互いどっちもどっちやとは思うけど。
谷:私は怖かった。遅れてって知らん人ばっかりやってのもあるけど。門人の目つきも怖かった。
オ:あ、それは俺も怖かった。なんか都会人な感じがするもんね。関西人的にはね。
門:それね、都会人関係ないよ。あの頃のなんっつーの?俺の諸事情によりそういう目つきをしてただけで。必死だったもんね色々。
谷:よせつけない感じも出てたしね。怖かったよー。
門:いや怖くはないって。むしろ俺の方がどこぞの馬の骨じゃい。みたいな感じだったじゃないすか。うんこ扱いみたいな。
谷:いや、怖かったよー。
門:だから怖くは無いって。
谷:最初門人は目を合わさずに喋ることがめっちゃ多かったから。今は結構合わせてくれるけど最初の頃はもう・・。
門:人見知りなんだよ。現場もアウェイというか初めてだったし、知ってる人も一人もいないわけじゃん。とにかく早足で認められないと出られないみたいな特殊な公演だったから俺ん中では。
オ:新劇団員的には確かに緊張するよね。花組芝居とかではそういうことってあるの?
谷:花組も怖かった。研修生でいるときは周り知らない人ばっかりで。
オ:あ、研修生ってのがあるんや。
谷:もうめっちゃ怖い。上下関係もあるし。
オ:花組と鹿殺しどっちが怖い?
谷:いや・・・いろんな意味で、鹿殺しも怖い。(笑)
オ:また別の怖さみたいな?
谷:でも単純に、チョビさんと丸さんが年上やってのは私は凄い居心地が良いけどね。なんか年上の人の言うことは体育会系やからすぐ聞けるみたいなとこがあると思う。
門:俺はもう逆に褒めてくれる人なら誰でもいいね。(笑)褒められたいね。
谷:でもあんま褒められへんやろ?
門:もう全然褒められないからどんどん不安になってくる。
オ:でも門人は褒められるほうやで鹿殺し的には。
谷:的にはやろ?でも一般的には・・・(笑)だから門人が今まで褒められてきたとしたら、こんなに褒められない劇団は無いぐらいな。
門:そうだねー。(笑)

SN3A0033オ:今回鹿殺しは原点回帰ということなんですが、二人の原点って何ですか?
谷:最初はお笑いとか好きやった。笑ってた方が良いよなーみたいな。
門:じゃあオレノ君と一緒だ。
オ:門人は違うの?
門:いや俺もお笑い。お笑いの方に行こう行こうとして行かずに十年来た感じ。
オ:門人の芝居の原点は?
門:俺は小学校のとき四年、五年、六年と演劇部だったの。多分親に仕組まれて。で、学芸会とかでも主役やってたの。ほんでー不良になってー、中学三年の時は演劇なんてバカじゃねえのって。バスケ!スラムダンク!不良やりながらバスケやってて。そしたらオカンが演劇科のある高校を受けろと。で、俺バレエやるのもいやだったから絶対行かねーつってたんだけど、倍率が良くて、学校がある場所が渋谷、新宿だったんですよ。で、テンション上がっちゃて入ってそのままズルズルここまでやって来た感じ。だから回帰っていうよりも未だ何もわかってない。原点が疑問から始まって、ずーっと疑問だよね。
谷:でもそうやんね。わかる。でも今は私は演劇をやりたい!ってなってるけどね。
オ:谷やんは演劇始めたのはいつ?
谷:十代後半ぐらいにタレント養成所みたいなとこに入って、アホみたいに全然芝居も興味なかってん私も。何も面白くないと思って。でもバッと変わった時があってん。
オ:タレント養成所にいたときはTV俳優目指してたん?
谷:でも肩書きはなんでもよかった。なんでもいいからTVに出て、明石家さんまのファミリーに入りたいみたいな。(笑)
門:でも今だって真逆だもんね。ある意味、花組芝居って伝統芸能っていうかさ、ガッチリとしか高級感あふれるあの世界観でしょ?
谷:そうでありたいとは思ったりしますよ。
オ:その花組に出会ってからガラッと変わった?
谷:まあその前にも変わったけど、花組に入ったのもいろんな分野を知ることになってガラっと変わった部分もあるかな。あと今は踊りもやりたいね。
門:谷やんは多分、ホントに普通にバレエとか十年ぐらいやったら普通に日本のトップダンサーになってる人だと俺は思ってる。全然違うもん。俺って結局お笑いダンスじゃん?俺がちょっと踊れてるから面白いぐらいのレベルだけど、谷やんのバネって天性のものだから。
谷:私、未だに高校をちゃんと野球の高校選んだら甲子園行けたと思うもん。
門:いや谷やんの身体能力は半端ないよね。くれって感じだね。
谷:でもそれがなくなったら怖いね。大人になるのが怖いもん。
門:いや40まではいけるでしょ!って・・何の話かわかんないけどこれ。(笑)

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オ:同い年のお二人ですが、同い年だけどここは尊敬できるなっていう点はあります?
門:いや俺めっちゃありますよ!俺真逆の人間じゃないですか?腐った生ごみみたいな。
オ:何言うてんの?
門:ドラゴンボールで言うピッコロの悪と善が分かれたみたいな感じがするぐらい、そのぐらい真逆だと思う。俺とかは、稽古場でも思ったことが顔にすぐ出ちゃうんだけど、そしたら谷やんがすぐ「こうしようよ。」とか言ってくれるのがホントにありがたいもん。谷やんみたいな人間に三ヶ月ぐらいなってみたいもん。
オ:逆に谷やんから見て門人は一年間付き合ってみて変わった部分はある?
谷:明らかに責任感が出てると思いますね。もう手を抜けないのはもちろんわかってると。そういうポジションを背負ってるのを感じる。
オ:逆にここだけは勘弁してほしいわーって点は?
谷:勘弁と言うか、まあ門人の世界やから私は良いと思うんやけど、すぐ「寄せ付けない!」というのを行為として持ってる人やなとは思うよね。
オ:門人バリアをね。
谷:「もう俺はここに入った!」というゾーンがあるというか気がつけば「あー、中に入っちゃった・・。」って思うときがある。そういうときはもう出てくるまで待ってよみたいな。
オ;大人やなー。
門:大人だよねー。もうこれ全然同い年対談じゃないと思うよ。俺小5だよこれ。「俺もうやだ!閉じこもる!」つってね。
オ:逆に門人は無いの?谷やんに。
門:なんだろうねー?まあ強いて言えば・・・わりと稽古場をちゃんと芝居して和ませてくれるってのが悔しいな。俺もそういうのやりたいんだけどー。だから逆にそれは勘弁してほしい。
オ:自分がやるから?
門:いや俺できない。隅っこにいたいから。(笑)

オ:それでは最後に今回の意気込みを一言。
門:今回、谷やんとめちゃくちゃ絡むんだけど。まあ今までも絡むことはあったんだけど・・・
谷:心の通いはなかったよね。(笑)
門:だからー、初めて心から谷やんと絡んで、ある意味なんかそのケミストリーをね。
谷:え?どういう意味?
門:そのなんつーの化学反応。俺と谷やんが心を通わせたときこうなっちゃうよみたいな。それがある意味今回の俺と谷やんの見所なんじゃない?
オ:谷やんは?
谷:やっぱ体ですかね?ただ肉体派って言うだけじゃなく、向き合い方として。鹿殺しのそういうところが好きやったりするのね私は。
オ:なるほど。じゃあ回帰という意味でも。谷山知宏の演劇に対する向き合い方もお見せできるかもって感じですか!
谷:いやそこまで考えてないけどね。(笑)